生体の中で「1/fゆらぎ」があるといいだしたのは、私が初めてかもしれません。
1977年の国際会議で、なぜ生体が「1/fゆらぎ」をするのかを発表しました。もともとは物理学会的のなぞではあったのですが、生体現象でも心拍のゆらぎが「1/fゆらぎ」であると1982年に見つけ、ここからさらに研究が始まりました。
基本的にだれでも「1/fゆらぎ」をもっています。私達の心拍は「1/fゆらぎ」のリズムになっていて、同じようなリズムの刺激を受けると、人は快適に感じるのです。例えば、キャンドルのゆらぎや、自然界でいうと心地よい風や小川のせせらぎや星の瞬きなどが同じリズムを持っています。
人が心地よく感じるリズムには「1/fゆらぎ」の存在があったのです。

以前テレビ局の依頼で、キャンドルを見つめているとリラックスするかどうかを実験したことがあります。
焚火の炎をみている時の状態と、小屋でキャンドルをみているときはどうなるかという内容でした。横浜市青葉区にあるこどもの国で実際焚火をたいて実験したのですが、結果は想像した通り、小屋で静かにキャンドルを見ている方が、人はずっとリラックスする事がわかりました。 |

東京工業大学名誉教授
武者 利光(Toshimitsu Musya)
1931年東京都生れ。54年東京大学理学部物理学科卒業後、同年、日本電電公社電気通信研究所研究員、64年マサチューセッツ工科大学研究員、65年スウェーデン王立工科大学研究員、66年RCA東京研究所研究員に。67年東京工業大学助教授、教授を経て名誉教授号を授与される。
1/fゆらぎの草分け的存在で、77年には第1回「1/fゆらぎに関する国際会議」を日本で開催し、以降2年ごとに世界各地で行なっている。
また、94年には(株)脳機能研究所、(株)ゆらぎ研究所を設立し社長を兼任。著書に『ゆらぎの発想〜1/fゆらぎの謎に迫る』(94年、日本放送出版協会)、共著に『ゆらぎの科学』(91年、森北出版)など。 |
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